墨田区といえば、ここ最近また人気が急上昇した浅草のイメージが強いですが、実は浅草は台東区。隅田川から東側が墨田区となっています。東京スカイツリーが建ち、押上周辺の開発も進みました。
墨田区には巨大な繁華街となっている錦糸町、国技館のある両国、タワーマンションが増えつつある曳舟といった街があります。錦糸町は夜の街のイメージが強いですが、街並みは綺麗になってきていますし買い物に困ることはありません。また曳舟は落ち着いていて家賃も手頃なので住みやすいエリアとなっています。
そんな墨田区における認可保育園への入りやすさを確認してみましょう。
目次
1.【墨田区】認可保育園の定員数
墨田区に住む0歳~5歳の子供の数は12,816人です(2018年4月1日時点。墨田区年齢別人口表より)。ここ10年ほど都内では子どもの数が増えて40%ほど増えていますので、墨田区は都内全体よりも緩やかに増加しているようです。
2018年 |
2008年 |
増減 |
増減率 |
|
0歳児 |
2,447 |
1,850 |
597 |
32% |
1歳児 |
2,297 |
1,864 |
433 |
23% |
2歳児 |
2,215 |
1,737 |
478 |
28% |
3歳児 |
2,036 |
1,693 |
343 |
20% |
4歳児 |
1,908 |
1,730 |
178 |
10% |
5歳児 |
1,913 |
1,706 |
207 |
12% |
合計 |
12,816 |
10,580 |
2,236 |
21% |
それに対して認可保育園の定員数は5,845人(小規模保育を含む、保育ママを含まない)です。全体に占める割合は約46%となっています。他の区と比較すると、認可保育園の定員は充足しているように見えます。
もちろん全員が保育を必要としているわけではないでしょう。育休中であったり、専業主婦(夫)家庭であったり、同居家族が子どもの面倒を見ていたりするかもしれません。0歳~1歳であれば、まだ育休取得中かもしれません。4~5歳は幼稚園に入っているかもしれません。
墨田区で認可保育園が足りているのかどうか、実際のところは事項以降で確認してみましょう。
2.【墨田区】認可保育園の内定実績(2018年)
それでは、2018年4月の結果(一次利用調整)を見てみましょう。
前年度の結果を公表するか否かも自治体によってバラバラですが、墨田区で公表されているのは、保育園別の「入所最低指数」「募集枠および希望者数(希望順位別)」です。
開示レベルは23区上位だと思います。欲を言うならば「入所最低指数」については42点同士の闘いであることが多いので、決定打となった優先項目まで明示してもらえると助かりますね。
内定倍率は保育園によってバラバラですが、0歳児クラス最上位は2.1倍、1歳児クラス最上位は7.0倍、2歳児クラス最上位は6.0倍、3歳児クラス最上位は8.0倍、4歳児クラス最上位は2.0倍、5歳児クラス最上位は1.0倍です(第1希望者数/募集枠で計算)。
3.【墨田区】認可保育園に内定している人たち
それでは墨田区の認可保育園に内定しているのは、どのような家庭でしょうか。
墨田区において一般的なフルタイム共働きの世帯は20点×2+2点=42点となります(育休中であっても、早期復職&認可外預託していても、いずれも2点加点されます)。
兄弟姉妹が入園希望園に在園中(卒園予定児を除く)だと3点、兄弟姉妹を同じ保育所にするため転園を希望する場合は7点、双子以上での申し込みは2点、兄弟同時での申し込みは1点加点されます。また年齢上限のある認可保育施設からの卒園児は8点加点されます。
同指数での優先順位は下記のように明示されています。
1緊急性が非常に高い世帯
2保護者のいずれかが不存在
3保護者のいずれかが単身赴任中
4同居親族に障害ないし介護認定がある
5区内保育士もしくは学童クラブ指導員
6 前年度の住民税が非課税である
7前年度の区民税(市町村民税)所得割の合計額が 48,600 円未満の世帯
8 父母の基準指数(調整指数を付する前の指数)の合計が高い世帯
9 母の基準指数(調整指数を付する前の指数)が高い世帯※
10母の類型が以下に該当※
①居宅外労働 ②居宅内労働(自営) ③居宅内労働(内職)④出産 ⑤妊娠 ⑥疾病・負傷 ⑦障害 ⑧介護・看護 ⑨災害復旧 ⑩求職活動 ⑪就学・職業訓練の順
11父の類型が10に該当
12 新規入所申込み
13 養育している子どもの人数
14 保育料の滞納が無い
15 各申込み締切日時点で、墨田区の居住期間が長い
16保護者の前年度の区民税(市町村民税)が低い
これらの前提条件を基に、墨田区の認可保育園に内定している人を推定してみましょう。
【0歳児クラス】フルタイム共働きでも厳しい闘い
32点、30点未満の園もありますが、ほぼ全ての保育園の内定ボーダーは42点となっています。42点はボリュームゾーンと考えると、42点あっても内定が貰えるかどうかは微妙なところです。区内保育士もしくは学童クラブ指導員であれば優先順位は高いので、ほぼ確実に内定が貰えるでしょう。墨田区では、平成28年度より「世帯年収の低さ」よりも「墨田区在住歴の長さ」を重視する方針に変更していますので、転入者にとっては厳しい状況ですね。
兄弟の在籍する認可保育園を希望する場合は3点加点がつくので、ほぼ確実に希望は叶うでしょう。
【1歳児クラス】フルタイム共働きでも厳しい闘い
内定倍率を見ると0歳児クラスよりも難易度が高いように見えますが、内定ボーダーを見ると0歳児クラスよりは少し難易度は緩和されています。内定ボーダーが41点、40点である園も少なからず存在しているため、42点あれば、(保育園を選ばなければ)内定を貰える可能性は高いと予想されます。
ただ希望を叶えるためには、兄弟ポイントで加点をつけるか、「墨田区在住歴の長さ」等の優先項目で差をつける必要があります。
【2歳児クラス】フルタイム共働きならば、ほぼ確実に入れる
2歳児クラスは、1歳児クラスからの持ち上がりで定員が埋まってしまうため、そもそもの募集枠が少ないという特徴があります。このため年度や保育園によって内定ボーダーにバラつきが生じていますが、平成30年4月においては42点以上の園と42点未満の園が半々になっています。42点あれば、(保育園を選ばなければ)ほぼ確実に内定を貰えるのではないかと予想されます。
【3歳児クラス】フルタイム共働きならば、ほぼ確実に入れる
2歳児クラスが上限の保育園からの卒業生が転園してくる年次になります。一般的には2歳児同様、そもそもの募集枠が少ないという特徴があります。このため年度や保育園によって内定ボーダーにバラつきが生じていますが、平成30年4月においては半数近くの園が48点、それ以外では30点未満の園も見受けられます。42点あれば、(保育園を選ばなければ)内定を貰える可能性は高いと予想されます。
なお墨田区では年齢上限のある認可保育園の卒園児は8点加点されますので、募集枠のほとんどは卒園児によって占められるでしょう。
【4~5歳児クラス】ほぼ誰でも入れる
幼稚園という選択肢も増えるためか、希望者数がガクッと減少します。そもそも学年の繰り上がりで定員が埋まってしまう園が多いので、年度によって状況は変わりますが、内定ボーダー30点未満という園が多いです。フルタイム共働きでなくても、希望すれば誰でも保育園に入れる状況ではないでしょうか。
4、結論
結論:フルタイム共働き夫婦でも厳しい闘い
子どもの年齢にもよりますが、フルタイム共働き夫婦でも厳しい闘いです。早期復帰ポイントがない(育休ポイントと同じ2点なので、差がつかない)ため、他と差をつけるためには「墨田区の居住歴」が大きな要素となってきます。
新参者には厳しい区ですので、墨田区への引越しは慎重に!
他の自治体の状況と比較してみてくださいね!
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