中野区といえば、サブカル聖地である中野ブロードウェイのイメージが強いですが、中央線のみならず、西武新宿線、丸の内線などが通っており、「新宿からアクセスしやすい住宅街」と言って良いのではないでしょうか。家賃も都心にしては手頃な価格帯となっており、無理せずに職場近居を叶えることができるエリアといえます。
そんな中野区における認可保育園への入りやすさを確認してみましょう。
目次
1.【中野区】認可保育園の定員数
中野区に住む0歳~5歳の子供の数は13,473人です(2018年4月1日時点。中野区年齢別人口表より)。ここ10年ほど、乳幼児の数が増加し続けています。2008年4月1日時点では10,657人ですので10年で約1.2倍となっており、都内全体と比較すると緩やかではありますが人口は増加しています。
2018年 | 2008年 | 増加数 | |
0歳児 | 2,482 | 2,010 | 472 |
1歳児 | 2,407 | 1,912 | 495 |
2歳児 | 2,330 | 1,681 | 649 |
3歳児 | 2,200 | 1,734 | 466 |
4歳児 | 1,994 | 1,660 | 334 |
5歳児 | 2,060 | 1,660 | 400 |
それに対して認可保育園の定員数は6,374人(小規模保育を含む)です。全体に占める割合は約47%となっています。
もちろん全員が保育を必要としているわけではないでしょう。育休中であったり、専業主婦(夫)家庭であったり、同居家族が子どもの面倒を見ていたりするかもしれません。0歳~1歳であれば、まだ育休取得中かもしれません。4~5歳は幼稚園に入っているかもしれません。
とはいえ、まだ中野区においては認可保育園が十分に足りているとは言えないのではないでしょうか。実際のところを次項以降で確認してみたいと思います。
2.【中野区】認可保育園の内定結果(2018年)
それでは、2018年4月の結果(一次利用調整)を見てみましょう。
前年度の結果を公表するか否かも自治体によってバラバラですが、中野区で公表されているのは、「保育園別の内定ボーダー」となっています。保育園別の内定ボーダーを公開している区は少ないので、中野区の情報公開は23区トップクラスと言えるでしょう。※ただし申請者数が掲載されていないため、内定率を算定することはできません。
3.【中野区】認可保育園に内定している人たち
それでは中野区の認可保育園に内定しているのは、どのような家庭でしょうか。
中野区においては一般的な共働きの場合は42点となります(フルタイム20点×2+3ヵ月以上勤務1点×2=42点)。なお保育園入園希望月までに認可外保育施設等に預託して職場復帰している場合で6か月以上は2点、3ヵ月以上は1点加点されることになっています。
また兄弟姉妹が在園している認可保育園に申請する場合には2点の加点がつきます。また育休退園した児童が再度入園を希望する場合には5点加点がつきます(下の子も同時に申請する必要あり)。
同指数での優先順位は、次の通りです。
1 中野区民(転入予定者を含む)
2 基本指数の高い世帯
3 ひとり親世帯(ひとり親に準ずる世帯も含む)
4 生活保護世帯
5 多子世帯(利用申込児童のほかに就学前の児童がいる世帯)
6 中野区に転入後も自宅から2㎞以上にある区外の保育所等に引き続き通園し、区内の保育所等に転園を申込んでいる世帯
7 保護者の基本指数(類型)(疾病負傷・障害 >介護・看護>就労>その他)
8 保育料階層が低位の世帯
9 税額が低位の世帯
これらの前提条件を基に、中野区の認可保育園に内定している人を推定してみましょう。
【0歳児クラス】エリアによっては余裕あり
内定率は不明ですが、内定ボーダーは42点となっている保育園が多いです。全体の8~9割が42点で、他は42点未満(41点、39点、38点、はたまた28点、27点も)となっているようです。保育園を選ばなければ、42点であっても確実に入れるでしょう。
ただし42点未満の保育園は、方南町~笹塚エリア、江古田~荒井薬師寺前~野田の駅から遠いエリアに集中していますので、エリアによって入園しやすさにはバラつきがあるようです。
入りやすいエリア以外においては、中野区内の保育士である場合は45点、兄弟姉妹がいる認可保育園を志望する場合は44点、9月1日までに早期復職している場合43点となるため、ほぼ確実に希望の園に入れるでしょう。加点のない42点同士の闘いでは「年収」が勝敗を決める要因になると思われます。
【1歳児クラス】加点がないと厳しい闘い
0歳児クラスよりも内定ボーダーが上がっています。例外的にTAC大和町が28点のようですが、全体的には内定ボーダーは42点以上となっています。全体の6~7割が42点、2割が43点
1割が44点という分布です。
不思議なことに0歳児クラスで42点未満であった保育園が1歳児クラスだと内定ボーダーが一気に上がっています。他の保育園よりも内定ボーダーが高く、44点なども見受けられます。一体なぜでしょうか・・・。(偶然、当該エリアで同じ年に産まれ子が少ないor多い 差なのでしょうか?)
中野区内の保育士である場合は45点、兄弟姉妹がいる認可保育園を志望する場合は44点、6か月以上早期復職している場合は44点となるため、ほぼ確実に希望の園に入れるでしょう。3ヵ月以上の早期復職は43点なので、希望が叶うかどうかは分かりませんが、ほぼ確実に保育園に入れるでしょう。加点のない42点同士の闘いでは「年収」が勝敗を決める要因になると思われます。
42点同士の闘いは、0歳児クラスよりも厳しくなっているのは間違いありません。優先項目である「多子世帯」等に該当するならば内定を狙えると思いますが、そうでなければ厳しい闘いになるのではないでしょうか。なお、26点同士の闘いにおいては「年収」が重要になってきますので、高所得になるほど認可保育園に入ることは難しいでしょう。
【2歳児クラス】募集枠が少ないため厳しい闘い
2歳児クラスは募集枠が劇的に減ります。新規開設園や一部の園を除いて、各園1~2名ほどしか募集していないか、そもそも募集していません(!)
少ない枠に人が殺到しているため、内定ボーダーには44点が並びます。44点同士の闘いについては、「年収」が勝敗を決める要因となるため、高所得世帯であるほど2歳児よりも前のクラスで認可保育園に入っておく必要があるでしょう。
※期間限定にはなりますが、区立保育室では2018年9月入所で多く募集がなされていました。
【3歳児クラス】その年における状況次第
3歳児クラスは2歳児クラスよりも更に募集枠が減ります。今まで内定ボーダーでは見ることのなかった47点が散見されます。育休退園した児童の再申請かもしれません。一方で33点などの保育園もあるので、その年における空き状況次第といったところでしょうか。
3歳児クラスになると、年齢上限のある区内の認可保育園・区立保育室・地域型保育事業からの卒業生は3点加点がつくことになります(上限2歳までとしているところが多いため)。この場合だと45点ですので、希望が叶うかどうかは微妙なところですが、どこかしらの認可保育園には入ることができるでしょう。
【4~5歳児クラス】ほとんど空きなし
4~5歳児クラスはガラガラに空いている区も多いですが、中野区の場合は残念ながら、ほとんど空きはありません。内定がもらえるか否かは賭けになるでしょう。
4、結論
結論:保活難易度はミドルクラス(年度やエリアによってバラつきあり)
23区内の保活激戦区に比較すると少し和らいだ印象ですが、やはり簡単には認可保育園に入ることはできないようです。0歳児4月入園であれば早期復職などしなくても入園できるだろうと予想されますが、1歳児以降は厳しくなってきます。早めに認可外保育園を押さえた者勝ちになるでしょう。
他の自治体の状況と比較してみてくださいね!
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