台東区といえば、上野、御徒町、浅草といった昔ながらの活気ある街を有しているエリアですね。浅草から隅田川を超えるとスカイツリーを有する墨田区となります。上野公園、谷中霊園、隅田川沿いの土手は桜の名所としても有名です。落ち着いていて住みやすいイメージのある台東区。
そんな台東区における認可保育園への入りやすさを確認してみましょう。
目次
1.【台東区】認可保育園の定員数
台東区に住む0歳~5歳の子供の数は7,744人です(2018年4月1日時点。台東区年齢別人口表より)。ここ10年ほど都内では子どもの数が増えて40%ほど増えていますので、台東区は都内全体よりも緩やかに増加しているようです。
年齢 | 2018年 | 2008年 | 増減 | 増減率 |
0歳児 | 1,495 | 1,159 | 336 | 29% |
1歳児 | 1,328 | 1,176 | 152 | 13% |
2歳児 | 1,326 | 1,039 | 287 | 28% |
3歳児 | 1,257 | 996 | 261 | 26% |
4歳児 | 1,180 | 1,063 | 117 | 11% |
5歳児 | 1,158 | 1,010 | 148 | 15% |
合計 | 7,744 | 6,443 | 1,301 | 20% |
それに対して認可保育園の定員数は4,147人(小規模保育を含む、家庭的保育は含まない)です。全体に占める割合は約53%となっています。他の区と比較すると、認可保育園の定員は充足しているように見えます。
もちろん全員が保育を必要としているわけではないでしょう。育休中であったり、専業主婦(夫)家庭であったり、同居家族が子どもの面倒を見ていたりするかもしれません。0歳~1歳であれば、まだ育休取得中かもしれません。4~5歳は幼稚園に入っているかもしれません。
台東区で認可保育園が足りているのかどうか、実際のところは事項以降で確認してみましょう。
2.【台東区】認可保育園の内定結果(2018年)
それでは、2018年4月の結果(一次利用調整)を見てみましょう。
前年度の結果を公表するか否かも自治体によってバラバラですが、台東区では保育園別の「募集枠と申請者数(第1希望者のみ)」「入所指数ボーダー」が公表されています。開示レベルは23区上位と言えるでしょう。
単純に倍率だけを見ると、0~3歳児は希望者の半数近くが内定をもらえていないことになります。台東区、かなりの激戦区なのではないでしょうか。
年齢 | 受入可能数 | 申請者数 | 受入可能数
/申請者数 |
0歳児 | 284 | 477 | 60% |
1歳児 | 285 | 562 | 51% |
2歳児 | 135 | 280 | 48% |
3歳児 | 159 | 248 | 64% |
4歳児 | 58 | 52 | 112% |
5歳児 | 69 | 17 | 406% |
合計 | 990 | 1,636 | 61% |
※公表データより作成
3.【台東区】認可保育園に内定している人たち
それでは台東区の認可保育園に内定しているのは、どのような家庭でしょうか。
台東区において一般的なフルタイム共働きの世帯は20点×2=40点となります。また保育にあたれる祖父母が近所にいないと1点加点、育休中であれば7点加点されるので、サラリーマン世帯では48点がスタンダードということになります。
兄弟が認可保育園に在園している場合は4点、兄弟で保育園を揃えるための転園は4点、保護者と同居している未就学児が3人以上いる(多子世帯)場合は2点、保護者と同居している小学生以下のきょうだいがいる場合は1点、2人以上の同時申請で1点加点がつきます。
届出を行っている認可外保育施設やベビーシッターに子どもを預けて職場復帰していると8点加点、年齢上限のある認可保育施設からの卒園児は5点、6ヵ月以上の待機で2点加点されます。
同指数での優先順位は明示されておらず、下記を総合的に判断するとされています。
・きょうだいが同一の保育園に在園している
・生活保護受給世帯等生活が困窮していることが明らかな世帯
・保護者の就労状況(勤務地、勤務時間等)
・ひとり親世帯
・地域型保育事業、東上野乳児保育園、康保会乳児保育所、マリー保育園浅草の卒園児
・保護者どちらかが単身赴任(住居別)
・多胎児
・きょうだいの数
・待機期間
・同一年度内の入所内定で内定辞退をしていない
・単園希望ではない
・祖父母の状況
・保護者どちらかが身体障害者手帳・愛の手帳・精神障害者保健福祉手帳を交付されている
これらの前提条件を基に、台東区の認可保育園に内定している人を推定してみましょう。
【0歳児クラス】兄弟ポイントがないと厳しい
内定ボーダーに50点が並んでおり、ハイレベルな闘いであることが分かります。フルタイム共働き(育休中)は48点ですので、加点のないフルタイム共働きでは多くの人が内定を貰えないという状況です。
すでに認可保育園に兄弟が入っていれば4点加点されますので、ほぼ確実に希望は叶うでしょう。兄弟がいる世帯が圧倒的に有利となります。仮に認可外に預けて早期復帰していても49点ですので、兄弟ポイントには敵いません。第1子にとっては厳しい闘いでしょう。
【1歳児クラス】認可外ポイントがあれば入園できる見込み
内定ボーダーの多くは51点ですが、50点未満の園も見られます。1歳児クラスになると待機ポイント2点が加点される世帯が多いので、実質的には0歳児クラスよりも難易度は和らいでいるようです。
認可外ポイント、待機ポイントがあれば51点となりますので、内定圏内に入ってきます。さらに兄弟ポイントがあれば確実に希望は叶うでしょう。同じ51点同士の闘いでは、待機期間が勝負を決め手となりそうです。
【2歳児クラス】運次第ではあるが保育園を選ばなければほぼ入れる
2歳児クラスは、1歳児クラスからの持ち上がりで定員が埋まってしまうため、そもそもの募集枠が少ないという特徴があります。内定ボーダーが非公開の園が大半を占めており、公開している園でも51点以上の数字が並んでいます。ただし年齢上限のある園では空きもありますので、保育園を選ばなければ51点未満でも入園できるようです。
【3歳児クラス】運次第ではあるが保育園を選ばなければほぼ入れる
2歳児クラスが上限の保育園からの卒業生が転園してくる年次です。台東区では年齢上限のある認可保育園の卒園児は5点加点されますので、卒園児はほぼ確実に転園できるでしょう。
内定ボーダーは保育園によりバラつきがあり、空きがある園もあるので、保育園を選ばなければ51点未満でも入園できるようです。
【4~5歳児クラス】ほぼ誰でも入れる
幼稚園という選択肢も増えるためか、希望者数がガクッと減少します。そもそも学年の繰り上がりで定員が埋まってしまう園が多いので、年度によって状況は変わりますが、定員の枠が余っている園が出ています。フルタイム共働きでなくても、希望すれば誰でも保育園に入れる状況ではないでしょうか。
4、結論
結論:フルタイム共働き夫婦でも第1子は厳しい
子どもの年齢にもよりますが、フルタイム共働き夫婦でも厳しい闘いです。一般的には入りやすいと言われる0歳児クラスの難易度が高く、すでに兄弟が認可保育園に入っている世帯でなければ入園が難しそうです。
他の自治体の状況と比較してみてくださいね!
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